北海道幌延町 高レベル放射性廃棄物最終処分場、PR・研究施設

 岐阜県瑞浪市に建設されつつある高レベル放射性廃棄物処分のための研究施設・超深地層研究所と同様の施設・幌延深地層研究センターが北海道幌延町にあります。

 幌延町で昨年7月、国の方針に沿った高レベル放射性廃棄物処分場の実規模施設がPR館として建設されることが分かりました。
 
 このPR館が高レベル放射性廃棄物処分場を呼び込む可能性があると、幌延で研究センターを監視する人たちは
危惧します。

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ニュースワイド:高レベル放射性廃棄物最終処分場、PR・研究施設 /北海道
 
◇住民説明会から1週間後の17日着工、「処分場建設」に警戒感--幌延町
 留萌管内幌延町に高レベル放射性廃棄物最終処分場のPR・研究施設を建設する「地層処分実規模設備整備事業」が、17日の仮設建屋着工で本格的に始まる。内容を住民に初めて示した10日の説明会から、わずか1週間後の着工。「処分場建設につながるのでは」と住民からは不信感も生まれ始めている。【横田信行】

 ◇進まない情報公開--協定の当事者、道も厳しいチェックを
 ◇なぜ幌延か
 リサイクル可能で資源の有効活用ができるとされる原子力。しかし、使用済み核燃料からプルトニウムやウラン抽出後に残る高レベル放射性廃棄物をどうするのか。国は、ガラスに溶かして金属製容器内に固め地下300~1000メートルの地層に埋める方針だが、処分場は処分実施主体「原子力発電環境整備機構(NUMO)」が02年に候補地公募を始めたものの、いまだにメドすら立っていない。

 状況を打開するため本格的なPR・研究施設を設置するのが今回の事業。新施設はPRのため実際の処分場と同じ地層展示を基本とするが、新規立地は難しい。既存施設を利用する場合、日本原子力研究開発機構の幌延深地層研究センター(幌延町)と瑞浪超深地層研究所(岐阜県瑞浪市)があるが、後者は目的を地層科学研究に限定しており、残された選択肢は、処分研究開発も目的に含んでいた幌延しかなかった。

 だが、これは幌延町には渡りに船。深地層研究センター事業の交付金は年間約1億3000万~1億5000万円。当初目指した処分場の数十分の1だが、関連の仕事で約100人が移り住み、年間最高で10億円近い仕事の受注や延べ5000~1万人が宿泊する経済効果は魅力だった。

 目立つ産業は酪農だけで、人口が2700人弱とピーク時の約3分の1に減った過疎の町は08年7月、議会に相談せず新施設誘致の要請書を国に提出した。今回の事業では新たな交付金支出はないが、雇用や飲食・宿泊などの効果に期待する。

 ◇募る疑問
 00年。道と町、核燃料サイクル開発機構(旧動燃、現日本原子力研究開発機構)は深地層研を処分場にしない担保として、放射性廃棄物は持ち込まない▽研究終了後は地下施設を埋め戻す▽積極的な情報公開に努める--などの三者協定を結んだ。だが、今回は事業主体が原子力環境整備促進・資金管理センター(原環センター)になったことも不透明さにつながっている。センターは日本原子力研究開発機構と別組織で、最終処分場の資金管理や処分体制の確立を目指す財団法人。むしろ、処分場建設を推進する立場のNUMOとのつながりが指摘されているからだ。

 10日に行われた初めての住民説明会。協定については、原環センターとともに事業主体となった深地層研が「順守する」と強調したが、他にも質問が相次いだ。都市部から離れた場所に整備する効果もその一つ。札幌からは約300キロの距離があり既にPR施設もあるが、原環センターは「両施設を組み合わせればよりPRできる」と強調した。

 最も問題視されたのは、原環センターが08年8月に町と道に説明した計画と、住民説明会で示した全体計画が大きく変わった点。8月の計画では「15年度に施設撤去」としていたが、全体計画では13年度までしか示さず、原環センターは「(8月の説明は)勝手な解釈だった。13年度以降は未定」と釈明。撤去も「施設は国の財産」として明言を避け、その後は「国の事業だから分からない」などはっきりしない回答が続き、「説明になっていない」と出席者の怒声が飛んだ。

 ◇根強い不信
 「2回も文書で説明会開催を求めてきたが、一切連絡はなく新聞で開催を知った」。酪農家らで作る住民団体「核廃棄物施設誘致に反対する道北連絡協議会」の代表委員、久世薫嗣さんは“反対派外し”に憤る。賛成派の間でも情報不足への不満がくすぶっており、これでは信頼関係は生まれてこない。

 高レベル放射性廃棄物は、燃料ウランの100万倍の放射能があり、100万年の管理が必要とも言われる。それでいて処分技術は実証されておらず、処分場の安全評価基準も決まっていない。

 原環センターが海外の参考例として挙げるフランスでは、「PR施設周辺に処分場を作ることが既定路線」との指摘もあり、反対派は将来的に幌延も処分場につながるのではと警戒感を募らせる。

 処分事業への理解が深まらない根本原因はPR不足ではない。マイナス面も含めた情報公開の徹底と説明責任を軽視する国と原子力業界の体質だ。事業主体と国に「道民の合意形成」という厳しい条件を課した道には、協定の当事者としてチェック機能を果たすことが求められている。

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 ■ことば

 ◇地層処分実規模設備整備事業
 「原子力環境整備促進・資金管理センター(原環センター)」と「幌延深地層研究センター」の共同研究として実施。今年度内に深地層研のPR施設「ゆめ地創館」横に、ガラス固化体の実物大模型などを展示した仮設建屋を整備、09年度から公開するほか、同館東側に地上施設を整備し10年度から本格的に公開する。また、10年度から深地層研の地下坑道を利用して地下施設を整備し、放射能漏れを防ぐ人工バリアの回収試験などを実施。総事業費約20億円の見込み。

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 ◇幌延問題をめぐる動き◇
82年 3月 幌延町が低レベル放射性廃棄物貯蔵施設誘致を表明 

84年 4月 旧動燃が高レベル放射性廃棄物貯蔵・研究施設(貯蔵工学センター)建設を公表

    7月 横路孝弘知事が誘致反対を表明

85年10月 道議会が調査促進を決議

   11月 旧動燃が抜き打ちボーリング調査

86年12月 幌延町長に推進派の上山利勝氏が初当選

90年 6月 豊富町議会が立地推進決議

    7月 道議会が反対決議案を可決

    8月 横路知事、計画撤回を科学技術庁に要請

   11月 推進決議した豊富町議2人のリコール成立

91年 3月 豊富町議会が一転、反対決議

95年 4月 堀達也知事が貯蔵工学センター白紙撤回を公約し初当選

98年 2月 科技庁が道に深地層研究所建設を新提案

   10月 核燃料サイクル開発機構が道に深地層研建設申し入れ

00年 5月 幌延町議会が「核抜き」前提に深地層研究推進条例可決

   10月 堀知事が深地層研究所の受け入れ表明。歯止め策として「核抜き」宣言条例を提案、道議会が可決

   11月 幌延町、道、核燃機構が「核抜き」三者協定調印

01年 4月 幌延深地層研究センター開所

02年12月 推進派の上山町長が新人の宮本明氏に敗れる

03年 7月 深地層研施設着工

07年 6月 深地層研のPR施設「ゆめ地創館」開館

08年 8月 原環センターが幌延町での地層処分実規模PR施設計画を道と町に説明

   10月 原環センターと深地層研が共同研究契約締結

09年 2月 共同研究計画の住民説明会。PR・研究施設仮建屋着工

毎日新聞 2009年2月15日 地方版


 しかし岐阜県瑞浪市に建設されている超深地層研究所にはまさに処分場の深度でPR坑道をつくっています。
 しかも、原子力機構は決してPR坑道とは言いません。全て「研究」のためと言えば済むのです。
 瑞浪市は現在掘っているPR坑道にも、PR坑道に設置される機器の類全てに課税できるます。
 こうして、「処分場」ではない、「PR坑道」でもないと言われながら、深みにはまっていく確率は、岐阜県瑞浪市の方がずっと高いと思います。

 なにせ、瑞浪市には高レベル放射性廃棄物拒否条例がありません。
 おまけに、市長は1995年の12月28日締結の4者協定と政策文書で法的効力のない1998年9月の科学技術庁長官の回答文書(通称・確約書)を混同して、2008年11月28日の「超深地層研究所安全確認委員会」で失態を演じました。 このことは後日、記事で。
 
 なにより、幌延は天然ガスの掘削地域です。ガス発生の危険性から立坑を3本を建設して、備えなければならない地域です。私がNUMOなら極限状態でない限り、幌延には処分場をつくりたくないと思います。










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