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zoom RSS 東京新聞特報 5月25日 もんじゅのピンチヒッター「常陽」稼働申請 機構 本音は動かす気ない?

<<   作成日時 : 2017/05/28 14:23   >>

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2017.5.25 東京新聞特報 常陽の稼働申請 

 常陽の稼働申請 規制委だめ出し
住民軽視甘い事故想定
出力抑え 避難5`圏に縮小

 日本原子力研究開発機構(原子力機構)による高速実験炉「常陽」の再稼働審査の申請に対し、原子力規制委員会が異例のだめ出しをした。本気で稼働させたいわけではなく、核燃サイクル事業を維持するため形式上の申請をしたのか。 そう深読みしたくなるほど、申請では「安全」を軽視しており、田中俊一委員長も「福島第一原発事故を反省しているのか」とあきれている。(木村留美、池田悌一)  

      
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 規制委は22日、常陽の新規制基準への適合性審査を、「補正申請等により適切な資料が提出されるまで保留する」と、原子力機構に文書で通知した。申請内容を改めない限り、「適合」を認めないどころか、審査に入らないという異例の通告だ。

 規制委はとりわけ、「14万`h」の常陽の熱出力を「10万`h」と下げて申請したことを問題視している。出力減の改造などはせず、運転時に10万`h以下に抑えるだけだという。

 どういう意図か、というと、出力が10万`h超なら、半径30`圏内の住民の避難計画を立てる必要がある。だが、10万`h以下なら、半径5`圏内でよい。
つまり、「出力減」で、常陽の影響を受ける「地元」が少なくなる。

 先月25日に開かれた規制委の審査会合で、原子力機構大洗研究開発センターの高松操・高速炉技術課長は「30`のUPZ(緊急防護措置区域)に対応するというのは、それ相応の地方自治体を含めて時間がかかります。(中略)出力を下げて早期再稼働を優先
したというところ」と悪びれずに説明した。

 だが、事故想定は「14万`hでしている。出力だけ「10万`h」と表記する「二枚舌」のようなやり方に原子力規制庁の審議官らは納得せず、申請内容の補正を求めた。翌26日の記者会見では、田中委員長がオートバイの例えで痛烈に批判している。

  「七五〇(ナナハン)CCを30`以下で走るから、原付きの免許でいいですよね、というような話。許すわけにはいかない」。また、「説明か手間取って時間がかかるからという言い方を、公開の場で堂々とおっしゃっている。どこかおかしいのではないか」と地元軽視の姿勢を批判した。

 そんな批判から、約1ヵ月たっても、原子力機構から何の補正申請もなかった。そこで、規制委は文書で通知したわけだ。

 ところで、常陽の5`圏内には立地する大洗町、水戸市、鉾田市、茨城町の四市町が含まれる。茨城県によると、30`圏内なら、日立市や鹿嶋市なども含まれるようになる。日立市民らはどう思うのか。

 東海第二原発心稼働ストップ日立市民の会の荒川照明代表(七四)に尋ねると、「説明がないので曰立市が常陽の30`圏内と思っていなかった」と驚いた。
 「10万`h以下で運転し、5`圏内に抑えようというのは、ひどい話だ」と憤る。

 ひどいのは、地元への配慮不足だけではない。過酷事故の想定も極めて甘い。原子炉の炉心損傷想定がなく、最悪時でも、液体ナトリウムの自然循環で熱を抑えられるといった「安全神話」を前提にしたような内容で、規制委はこれらの補正も求める。

 こんな申請では、常陽の再稼働を本気で考えていないのでは、と思えてくる。原子力機構に「本気なのか」と尋ねた。広報担当者は「確認したい」と返答を保留し、約一時問後、「申請する以上は稼働させたい」と答えた。



 機構 本音は動かす気ない?
政府は固執 事業撤退なら 原発政策支障
使用済み核燃料 行き場なくなる

              
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 そもそも、なぜ、「常陽」の再稼働なのか。きっかけは、政府が昨年末に決めた高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の廃炉だ。事実上、「核燃料サイクル政策」の破綻を意味するが、政府はまだあきらめない。

 核燃料サイクルをおさらいすると、まず、原発で発電し、使用済みウラン燃料を再処理工場で処理し、プルトニウムなどを取り出す。それをMOX撚料に加工する。原発のプルサーマル発電にも使うが、主に高速増殖炉で使い、発電をしながら新たなプルトニウム
を生み出す。

 夢のような計画だが、商用化のずっと手前の原型炉「もんじゅ」の段階でつまずいた。一兆円以上の税金を投入したものの、結果的に、ほとんど成果を得られなかった。

 核燃サイクルをやめると、日本の原発政策に大きな支障をきたす。まず、青森県六ヶ所村の再処理工場が不要になる。二十年以上たっても末完成だが、再処理のために既に、全国の原発から大量の使用済み核撚料が運ひ込まれている。地元との協定で、工場をやめたら、使用済み核燃料を青森県外に運び出さなければならないいが、そ行き場はない。

 使用済み核燃料を六ヶ所村で再処理しないことになれば、今後、原発を稼働させて出る使用済み核撚料の行き場もなくなる。再稼働を進めたい政府としては、困るわけだ。世耕弘成経済産業相は「高速炉開発の方針は堅持する」と明言し、政策の延命を図っている。

 そこで、常陽に白羽の矢を立てたわけだが、もんじゅの一段階前の「実験炉」を今さら動かすことに、どれほどの意味があるのか。政府の意思とは異なり、原力機構は本気で再稼働に取り組む気になれないのかもしれない。

 また、高速実証炉「ASTRID」(アストリッド)計画のあるフうンスとの共同究が進められようとしているが、政府はフランスに研究者を送り込むだけでは心もとないと考えているのだろう」と、原子力資料情報室の伴英幸共同代表は言う。

 「国内の研究体制を維持したいがために、常陽を動かしたいのではないか。アストリッドがうまくいく見込みは薄く、政府も本音では、もんじゅの廃炉が事実上の撒退に等しいと受け止めているはず。でも『やめます』と言ってしまえば、原子力政策の根幹が崩れてしまう」

 元内織府原子力委員長代理で、長崎大学核兵器廃絶研究センター長の鈴木達治郎教授(原子力工学)は『使用済み核燃料の貯蔵場所は既に不足している。再処理工場を完成させ、いずれ高速炉で再利用するというストーリーにはころびが生じれば、新たな使用済み核燃料を出すことは難しくなる。つまり政府は原発を止めざるを得なくなるため、『高速開発を目指す』と。言い続けるしかないのだろう」と解説する。

 また、来年7月、米国が日本にプルトニウムの抽出を認めた日米原子力協定の30年の満期を迎えるという事情もある。日本は「利用目的のないプルトニウムは持たない」と国際的に約束し、約48dを保有している。核燃料サイクルから撤退すれば、米国は協定延長を認めないだろう。

 鈴木教授は「規制委がもんじゅの運営から原子力機構を退場させ、新たな担い手を探すよう勧告したが、実用化の見通しは立たず、どの電力会社も手を挙げなかった。将来、実証炉を開発する方針を掲げても運営する事業者現れるか疑わしい。今が核燃料サイクルから撤退する潮時だろう」と指摘した。

≪ディスクメモ≫
 20120年東京五輪の運営費、築地市場の豊洲への移転、森友学園巡る問題などで、税金の無駄遣いが指摘されるが、原子力施設を巡る無駄遣いの金額は桁違いに大きい。実現不可能の核燃サイクルを続けては、今後も一兆円単位で国費が失われていく。今こそ終止符を打つべきだ。(文)2017.5.25

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