北海道庁まとめ「幌延深地層研究計画(案)」確認結果批判 


2019年11月6日 リンク
 
 批 判

1 必要性
P.1
・幌延の地下研究施設はジェネリック地下研究施設(最終処分場としない場所で技術を磨く地下研究施設)であること。

 →NUMO用語に慣れさせる狙い

 「幌延の地下研究施設」との表現は、資源エネルギー庁が2017年に東濃・幌延の地下研究所の表現を「地下研究施設」と言い換え、それを踏襲している。

 その理由を資源エネルギー庁廃棄物対策課に確認したところ、NUMOが「地下研究施設」との表現を使用しているので、それに習ったとのことでした。(2017.10.26「科学的特性マップの公表と今後の取組について」平成29年9月資源エネルギー庁 に関する質問事項への文書回答 )

 幌延深地層研究センターが正式名称であるにも関わらず、「地下研究施設」との用語を使うことにより、NUMO用語に慣れさせる狙いがあります。

→ NUMO用語に慣れさせる狙いはNUMOとの「一体化」に近づけるため/span>

→以下になじませるため
 「○ 地層処分基盤研究開発に関する全体計画は、NUMOの実施する技術開発計画と一体化し、いわゆる「真の全体計画」となることが望まれる。」 【2016.9.30原子力委員会放射性廃棄物専門部会「最終処分関係行政機関等の活動状況に関する評価報告書」P.36 リンク

 →幌延をことさらに「ジェネリック」地下研究施設と位置付けることのいかがわしさ。
 幌延深地層研究センターを処分場にしないことは、三者協定などで確認している。
 あえて「ジェネリック」地下研究施設と目新しい名称で期間を誤魔化そうとしている。

人々はおよそ20年間との約束を守るよう、きわめて当たり前の要求をし、終了期限を明確にするよう求めているに過ぎません。言葉を使い分けながら、期限を明示しない原子力機構と道庁の姿勢に憤るのは当然です。


p.1
・外部委員会の評価にある「技術の確立が可能な水準に達するまで」とは、地下研究施設で研究した技術が処分施設の地下環境で活用できる状態という意味であること。

  →用語の意図を示すことは重要ですが、「地下環境で活用できる状態」の内容が疑問です。
・「地下環境で活用できる状態」の基準は、どこがどのように判断するのか不明です。
 ・原子力機構が設置している地層処分研究開発・評価委員会と予想しますが、フィンランドの事例で、幌延での研究が延長されました。
機構の資料では、「フィンランドのレビュー報告書に示された操業許可申請に向けた課題として、廃棄体設置の最終判断や廃棄体間隔の設定のための個別技術体系化」が必要とありました。
 
・ この論法では、フィンランドやスウェーデン、フランスなどで操業許可申請された場合、その基準に合わせて追加される可能性はないのでしょうか。
 例えば、今回の計画で原子力機構が示した、フィンランドの処分場建設許可申請に対する審査結果を幌延での研究延長の必要性の要因としたように。

 →日本の高レベル放射性廃棄物処分場選定は文献調査、概要調査、精密調査と進みます。
  精密調査段階の後半で、地下調査施設を建設し、その場所に適した具体的対策が検討されます。
  NUMOは精密調査地区では地層を乱さないため、できるだけ調査を減らしたい。
  原子力機構の地下研究所で試験して欲しいと求めていたことがありました。

 「地下環境で活用できる状態」とは、まさに、こうした状況を指しているように思います。
  2017.6NUMO資料  精密2調査時の地下施設での「試験」なし.JPG
 この資料はNUMO「知ってほしい、地層処分」2017.6 p.16から引用しました。
 この図には、精密調査地区の地下施設で試験をする説明が抜けています。 リンク   

href="https://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/001/253/27/N000/000/000/157395721799436425460.jpg" target="_blank">2014.3  エネ庁資料p.16.JPG
        h ref="https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/nuclear/rw/sohoko/doc/20140301_shigen.pd" target="_blank">リンク
 資源エネルギー庁 「地層処分事業について(制度)」2014.03 p.16
   当然精密調査地区で地下施設を建設し試験することが位置付けられた制度です。リンク
   


P.2 妥当性 
P.2 ○「研究終了までの工程とその後の埋め戻し」について
・機構が第3期中長期計画の中で、「平成31年度末までに研究終了までの工程やその後の埋め戻しについて決定する」としていることについては、研究計画(案)の6ページの上4行「これらの研究課題については、令和2年度以降、第3期及び第4期中長期目標期間を目途に取り組みます。その上で、国内外の技術動向を踏まえて、地層処分の技術基盤の整備の完了が確認できれば、埋め戻しを行うことを具体的工程として示します。」に示していること。

→全くのすり替え。言葉遊び。
 理由: 「国内外の技術動向を踏まえて、地層処分の技術基盤の整備の完了が確認できれば」とは、
 ①完了が確認できなければ、継続もあり得る。
②地震と断層と地下水の日本で「国内外の技術動向を踏まえて、地層処分の技術基盤の整備の完了」があり得るか。
 ③「整備の完了」の基準が示されていない。
④2005年の中期計画 以降、7年間の第3期中長期計画でも、「国内外の技術動向を踏まえて、地層処分の技術基盤の整備の完了」という表現は存在しなかった。

 これだけ重要な位置付けを追加するには、必要性とここに至る経過と「技術基盤の整備の完了」についての定義を示し、達成までの期間と方法を明示することが不可欠。原子力機構のこの対応で、理解を得ようとするのは無理。
延長のための言い訳に過ぎない。



p.2
・仮に・・・「協議が整わなければ計画は変更できず、第4期中長期目標期間で終了すること。」
→ 現状の道庁の姿勢が変わらない限り、「協議が整わなけば」は、あり得ず、道民をなだめるためのリップサービスで無意味。


p.3
・研究計画(案)の「処分概念オプションの実証」に記載した実証試験以外の立坑などの埋め戻しは、本研究計画(案)では研究対象としていないこと。

→実証試験以外の立坑などの埋め戻しは、超深地層研究所の立坑及び坑道埋め戻しと同様、「研究」ではなく「埋め戻し事業」。ただし、東濃では地下水回復状況を確認するためのデータ取得は東濃と同様5年程度とする計画。実質の延長。

3 三者協定との整合性
p.3
・「国内外の関係機関の資金や人材の活用」の国内外の関係機関には、現時点で具体的な計画があるわけではないが、最終処分事業を行う実施主体であるNUMO も想定し得ること

・仮にNUMO の資金や人材を活用する場合でも、NUMO への譲渡や貸与を行わないことを前提に機構が主体となり機構の研究目的や課題と整合し機構の責任において研究施設を運営・管理すること。
 
 →幌延の原子力機構とNUMOの人材交流や、NUMOが幌延深地層研究センターを借りて行う研究は「真の一体化」そのもの。
  それでも、研究所とNUMOは組織が別だから問題ないとは、あきれたまとめです。

  「真の一体化」について
 2018年10月5日幌延と岐阜県内の市民グループが「深地層研究計画と処分場計画のなし崩し的「一体化」であると、原子力委員会、経済産業省、文部科学省、原子力機構に抗議しました。(抗議文と記事掲載リンク
 地下研究所のあり方として認められない暴挙です。身勝手でご都合主義のまとめです。