北海道新聞 「核ごみ地下研究所 幌延のみに 岐阜・瑞浪22年までに埋め戻し 県が期限順守徹底 道の施設と違い」

【追記 2019.11.4 記事の文字起こしを掲載します 】

北海道新聞10月22日の記事を添付します。


核のごみ地下研究所は幌延と瑞浪にあります。

瑞浪の地下研究所が賃貸借終了の2022年1月までに坑道と立坑の埋め戻し決定。

幌延は機構が、幌延町と北海道庁に研究の延長を申し入れた。


記事は両施設の自治体と関係者を丁寧に取材し、1面で掲載されました。
幌延2.png

 【追記】
 
  宗谷管内幌延町で地下研究施設の幌延深地層研究センターを運営する日本原子力研究開発機構が、岐阜県瑞浪市の瑞浪超深地層研究所を2022年1月までに埋め戻すことを決めた。同じ深地層研究施設でありながら、幌延では研究期間の延長が議論されている中での閉鎖。背景を探ると、地元の姿勢の違いが浮かび上がる。(編集委員 関口裕士)

核ごみ地下研究所 幌延のみに

岐阜・瑞浪22年までに埋め戻し

県が期限順守徹底 道の姿勢と違い


 瑞浪は1996年、幌延は01年にいずれも20年程度の計画で研究を始めた。今年8月、原子力機構は幌延について期間の延長を道と町に申し入れた一方、瑞浪は埋め戻しを決め、今月11日にその工程表を示した。

 15年6月に機構の児玉敏雄理事長が岐阜県庁を訪れた際の古田肇知事との面会記録が残っている。
 知事「計画的に終わるべきものは終わり、埋め戻すということを予定に沿って進めてもらいたい」

 「知事の姿勢は一貫している。処分場になるのではという県民の不安を払拭するため期限を守るよう繰り返し求めてきた」と岐阜県環境生活部環境管理課の居波慶春課長は脱明する。古田知事は14年にも「どこがどう遅れたか明示」するよう機構に注文を付けている。同じころ、道は「研究の着実な推進」を国に陳情していた。地域振興や雇用の確保の観点から道の所管が経済部である点も対照的だ。

 瑞浪では地元の反対で、機構所有地での建設を断念し、市有地を借りた経緯がある。その貸借期限が22年1月。当初計画からは延びたが、瑞浪市企画政策課の梅村修司課長は「市有地なので約東をたがえればすぐ出ていってもらえると市民に説明した」。瑞浪超深地層研究の伊東洋昭所長も「賃貸借契約終了までの埋め戻を前提に研究してきた」と話す。
 
 地域経済での位置付けは瑞浪と幌延でで違う。人口約2300人の幌延では機構職員と関連業者、家族を含めると1割を占めるとされるが、約3万7千人の瑞浪で機構の存在は薄い。瑞浪商工会議所によると「研究延長を求める声は全ぐ聞かない」(築山勝人事務局長)。地域の懸案を話し合う会議所と市の懇談会の議案にも上がらない。

 幌延では8月2日に来年度以降の計画案が道と町に持ち込まれたが、瑞浪ではその6日後に埋め戻しの方針を示し、県や市と内容を協議してきた。瑞浪が本年度限りで、「研究開発を終了」と書いたのに対し、幌延は期限が明配されていない。

 瑞浪の監視を続ける岐阜市の市民団体の兼松秀代さん(71)は幌延の計画案を見て「こんな書き方があるのかとびっくりした」と言う。「期限なしの延長。これでは歯止めにならない」

 幌延の研究延長の是非を巡っては23日に道と町による3回目の確認会議が開かれる。道の姿をただすため、18日に道庁を訪れた「核廃棄物施設誘致に反対する道北連絡協議会」の久世薫嗣さん(75)は語気を強めた。「道はもっと毅然とした一度を取るべきだ」


写真
瑞浪超深地層研究所の外観。高さ31メートルの三角屋根の建物の下、地下500メートルまで続く立て坑がある。手前の管理棟を含め2022年1月までに撤去される=15日


 深地層研究 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)を地下300メートルより深くに埋める「地層処分」を行うための研究。日本原子力研究開発機構が瑞浪市で結晶質岩を対象に地層科学研究を、幌延町では堆積岩層で処分技術の研究も併せて行っている。研究開始後、本年度までの事業規模はそれぞれ約600億円。実際の処分は原子力発電環境整備機構(NUMO)が全国1カ所で行うが、候補地も決まっていない。

【追記 終わり】

★超深地層研究所の主な協定や契約は以下です。


◆1995年12月28日締結

東濃地科学センターにおける地層科学研究に係る協定書 リンク


 1 研究所について、放射性廃棄物を持ち込むことや使用することは一切しないし、将来においても放射性廃棄物の処分場とはしない。 


◆2002年1月17日締結

  土地賃貸借契約書 リンク

第3条 賃貸借の期間は、研究所の研究期間を勘案し、平成14年1月17日から平成34年1月16日までの20年間と  する。ただし、期間の延長が必要となる場合には、甲乙別途協議して決定するものとする。


第7条 乙は、本件土地の賃借権を第三者に譲渡し、転貸し、又は担保の目的に提供してはならない。 

  2 乙は、研究所を第三者に譲渡し、貸与し、又は担保の目的に提供してはならない。


◆2002年1月17日締結

土地賃貸借契約に係る協定書 リンク


第1条 乙は、次に掲げることをしてはならない。

(1)放射性廃棄物を研究所へ持ちこむこと又は研究所で使用すること。

(2)研究所を放射性廃棄物の最終処分実施主体へ譲渡し、又は貸与すること。

 2 甲は、乙が前項各号のいずれかに違反した場合は、土地契約を一方的に解除するも のとする。

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