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zoom RSS “原子力法制の違法性を問う”仮処分申請の可能性も

<<   作成日時 : 2018/10/02 18:32   >>

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 2018年9月29日の東京新聞「原子力法制の違法性を理由に新たな仮処分を申し立てる可能性も示した。」(伊方差し止め 大分地裁却下 より)との記事がありました。

 【追記 2018.10.12 脱原発弁護団全国連絡会ウェブにアップされている記者会見動画リンクを追加します】

 2018年9月25日も伊方原発3号機の広島高裁仮処分異議審で四国電力の主張を認め、仮処分を取り消しました。
 この決定に対する記者会見においても、申立人の弁護団は、同様の可能性を示唆していました。続け却下された大分地裁の運転差し止め仮処分却下で、この方向性が具体的になりました。

 「原子力法制の違法性」を問う仮処分申立とはどういうことなのか、2018年9月25日と9月28日の記者会見概要を書き起こしてみました。

◆2018.9.25広島高裁異議審仮処分取消決定後の住民側記者会見
 河合弘之弁護士
 動画にリンク
 
  ・脱原発弁護団全国連絡会ウェブにアップされている記者会見動画を追加します。
               ↓
   2018-09-25_広島高裁伊方異議審_記者会見(リンク

裁判で原発を止めろ、止めろと言っても、裁判官は原子力基本法に原子力の利用を促進すると書いてある。更に色々な法律があって原子力六法、原子力法制があ。原子力法制をにらみながら、原子力を止めるというのは難しいという考え方がある。

 名古屋高裁金沢支部の樋口判決を取り消す判決があった。そこでも、原発は危ないと言うけど、原子力基本法があってその下に原子炉等規制法があり、原子力賠償法があり、更に制令、省令があり、原発を一律に禁止だなんて言えないと率直に書いてある。それは政治が決めるしかないかのようにして司法は逃げた。

 (法律が)逃げの口実に使われている。裁判官は原子力法制を何とかしてくれないと、なかなか勇気を持って書けないんだよというサインでもある。それなら、原子力法制が憲法に反するのではないかと。原子力に反対する人たちは 原発事故は生命、身体、その他幸福を追求する権利を根底から害する。福島原発事故を見ていればわかる。生命は危ない、健康は害される、財産も居住の自由もなくなる、強制移転、教育を受ける権利もなくなる。健康文化的な生活を保障している憲法22条も覆される。憲法は国土と国民を前提に最高法規として存在している。重大事故があると憲法が寄って立つ国家を崩壊させてしまうかもしれない。そんなことを憲法が容認しているはずがないという最も根本的な議論もあり得る。

原発は憲法違反という根本的問いかけを正面から論じることを僕たちは敢えて避けてきた。
 憲法違反というと「なに青いこと言っているんだ」と感じになる恐れがあり、技術論争を中心に闘いを挑んできた。そうすると裁判なのかで争っていることと、国民が考えていることと乖離してきた。ほとんどの人は原発が重大事故を起こした恐いよね、後世に使用済み燃料を押しつけるなんて非倫理的なことだよねという素朴だけど根本的理由で思ってい。

 ところが裁判で闘っていることは、何ガルが正しいか、 破局的噴火は100万年に1回か、1万年に1回かを議論していて、国民は原発の訴訟内容をほとんど理解していない。国民運動と裁判は乖離している。そこは問題だと思う。心ある裁判官にあたったとき、技術論争すると難しいな、自信持って判決書けないなとなってしまう。そうすると、志あって危ないね、原発なんて止めたと思っている裁判官でさえも、勇気を持って原発差し止め判決を書けないような裁判になってきているのではないかと。僕と考えを同じくする何人かの弁護士はいる。

いま裁判では科学論争には絶対はないですね、絶対安全な技術はないですね。絶対安全を求めると科学は進歩しない。相対的な安全を決める方法は社会通念で決めるしかない。

 社会通念とはどういうことか。ある答えは、日本に国民投票がないのだから選挙で選ばれた国会が決めた法律が社会通念にならざるを得ない。原子炉等規制法があって、新規制基準があってそれが社会通念だからそれに沿っていればいいのではないかとなって、電力側の学者が言い、こちらが反論してくれる人を探してもにらまれるのが嫌だから等と断られて負けている。

 根本的な議論をしなければならないと思うようになて、原点に返ろうと言っている。
 その基本は、絶対的安全性を要求すること。
 絶対的安全性など世の中にはないというのが世の中の体勢。失敗は成功の母だということに対して、そうですねと言わず、原発事故だけは違う。原発は絶対的安全でなくてはならないと言い切らないといけない。
 相対的安全性、許される安全確立論争に行ってはダメだというのが僕の考え。絶対的安全性のためにどうするかというと、日本中の原発を全部止めれば絶対的安全性。そういうと、原子力基本法で原子力の平和利用を認めているではないかという。それに対して憲法違反だというと勇気ある裁判官が止めてくれる。

 電力は技術論争で挑んでくる。こちらは応戦してはいけない。地震、津波などの確立論争をしても始まらない。あっちが確立論争をしかけたとき、樋口裁判長はそんな議論は聞きたくない、そんな議論は学会でしてくれ。ここは裁判所だと言った。私達はそういう闘い方をしなければならないのではないかと考える。これは脱原発全国連絡会世論を征するには 至っていない。


◆2018年9月28日 大分地裁仮処分却下後の住民側記者会見)

 河合弘之弁護士 
動画にリンク

 ・脱原発弁護団全国連絡会ウェブにアップされている記者会見動画を追加します。
   2018-09-28_大分地裁の伊方仮処分決定に関する報告集会・記者会見(リンク

 よくもまあ権力、原子力ムラべったりの決定。いくら何でもそれは違うでしょうと言ったのが。9月の高裁決定だけど、それすらもひっくり返して火山ガイドでいいといった。

 何時ごろきそうだというのが積極的予測、この期間は中程度の噴火は来ないよというのが消極的予測。
 消極的予測は積極的予測よりもっと難しいのに、やって見せているのが電力と規制委員会。
 決定はこの期間は来ないということを認めた。

 基準地震動も同じ。地震が来ると予測した例は世界にない。大きな地震が明日来ると予測して来た例はない。歴史上の大地震が予即予測された例は一つもない。積極的予測は不可能だというのが、地震学者の共通認識。

 予測が難しい理由は三つ。実験できない、データ不足している、見えない、そのために積極的予測はほとんどできない。
 逆に消極的予測、この期間はこういう規模の地震はこないと言えるかというと、積極的予測よりももっと難しい。しかし、九州の場合は正断層が多くて地震が小さいはずだ、中央構造線の活断層は長〜いから、長さに正比例しないで、一定の長さになったら飽和する。それ以上大きくならないと勝手に言って。誰も実験したことがない。揺らしたことはないのに、そうなるはずだと。

 はずだ、平均値、計算式と予測の上に予測、仮設の上に仮設を組み立てて、消極的予測をしている。その予測の上に原発を動かす。

 火山についても同じ。火山にも三重苦は同じ。データが少ないという点ではもっと少ない。VI7とか言うと何万年に一回だから、データが少ない、実験ができない、地中深くで起きていてレントゲンみたいには見えない、三重苦。

 高裁レベルではできないというのに、変な理屈を付けて消極的予測はできる。この期間は地震が来ないという立証ができる、消極的予測ができるという認定になっている。

 僕は、原点に返る必要があると思う。予測と平均値と確率計算によって原発を動かしていいの?僕はいけないと思う。

 いけない理由は、原発の被害は他の災害に比べ、質的にも量的にも全然違う。国を滅ぼすような災害は原発しかない。地震とか津波とかで滅びることはない。あるとすれば戦争かもしれない。戦争は外交努力で避けられる。だけど原発事故が起きたら国が滅びるような災害をもたらす。

 これは予測などでやってはいけないという(聞き取れない)しなければ。今日みたいな決定を受け取ると、どうにもならないと思う。

 この裁判を起こしたときは竹内裁判長だった。任期の加減で転勤してしまった。次に来た佐藤さんは何考えているかよくわからない。僕らに質問も及釈明もしない。あちらのいいなりに書くならわけない。
 
 予測と、統計と確立計算によって絶対に大丈夫だという保証があるのか、という展開を再構築しようかと、今日の決定を見て改めて思いました。

 しかし、こんな決定を出されても、へこたれない。今までと同じようにねばり強く闘っていきたい。

甫守弁護士の見解

 大分地裁の仮処分決定は読むに値しない決定。適当に住民側の主張に挨拶をして、四国電力を勝たせるという路線を決めて、そこに適宜、四国電力の主張や証拠あてはめていったという感じ。

 声明にも書いたが審議の姿勢がよくなかった。こちらがプレゼンしていてもうつらうつらしていたり、早々に審議を終結させようという姿勢もあった。

 最後の主張を新しい主張を出した。こちらの主張に対して四国電力に反論するようにつたえ、四国電力が出した書面にはこちらに反論を促すことはなかった。決定の内容には意外なところはない。

 こうした決定は残念だし、積み重なっていくと、同じようなひどい目に遭う可能性があり、危機感がある。
今後、もう少し勝つ可能性を高めることを真摯に反省していかなければならない。

質 疑

大分合同記者:2点聴く。戦略を練り直すという言葉があった。即時抗告するのか。

申立人?:原則的なところに的を絞りたい。

記者:3月に作成した火山ガイドの考え方がかなり反映されていると考えてよいか。

甫守弁護士:決定書の283〜284ページに出てくる、決定の書き方としては、社会通念上無視しうるという話を出した後に、規制庁の文書にも沿っている。規制庁がこう書いたからこうするとは書いてないが、事実上の影響は大きいと見て取れる。

記者:判断を後押しした。

甫守弁護士:そうですね。

記者:火山ガイドの根拠は明確人示していないようだが。

甫守弁護士:(火山ガイドは)長いが、いっぱい書いてあって。何が明確な根拠なのか、わからないが、敢えてそこを割り切って判断すると、「社会通念」です。
 社会通念上、VI 6以上の被害頻度が大きくて発生頻度が小さいので、VI 5以下の場合と社会の受け取め方が違うのだという認定をして。それが発生するリスクが差し迫っていると示されていないなら言えないということが示されていれば、無視できますという認定になっている。

 我々が指摘している、発生頻度が小さいとはいえ、原子力に求められる安全性からして十分小さいとは言えない。について答えていない。発生頻度が小さくても、原子力発電所に求められる安全性からして、十分小さいとは言えないという主張には全く触れない。破局的噴火らによってもたらされる原発事故の被害が非常に大きくなる可能性があるので無視できないのではないか。そんなリスクのある場所でわざわざ作る必要があるのかという指摘には全く答えていない。

記者:社会通念とは:火山ガイドの評価を限定的に評価したのか。

甫守弁護士:そういうことです。広島高裁の決定は火山ガイドにそんなこと書いていないと、破局噴火だからどうしようなどとはどこにも書いていないということを重視した。今回は規制庁の考え方に影響されたものと思われるが、VI 5とVI 6では明確に違うのだといわんばかりになっている。

記者:社会通念とはどういうことか。

甫守弁護士:一般的な社会常識のような意味だと思うが、裁判所というより、裁判官の考える社会通念とをどのように認定しているのか。具体的に示そうとする試みもあるが、そこが説明でき名からこそ、使っていることなので、これまでの裁判の結果からも、都合よくつかわれてきた意志的なワードと受け止めています。

河合弁護士:社会通念が世の多くの人の意見だとすると、日本では国民投票制度がない。何で決めているのか。ある時は、選挙で選ばれた国会が決めるのが世論だという。そうすると法律だよね。きまった政令が社会通念だよね、となる考え方もある。もう一つは裁判所が恣意的に都合よく仕上げるもの。社会通念というゴミ箱があってそこに全部投げ込んでしまう。VI 6などという。
  録画終わり

 

<参考>

「原子力発電所の火山影響評価ガイドにおける「設計対応不可能な火山事象を伴う火山活動の評価」に関する基本的な考え方について」
 平成30年3月7日 原子力規制庁 リンク


脱原発弁護団全国連絡会声明 2018年3月13日

 >「福島原発事故を上回る大災害につながる「原子力発電所の火山影響評価ガイドにおける『設計対応不可能な火山事象を伴う火山活動の評価』に関する基本的な考え方について」に断固として抗議し,適正な司法判断を求める声明」   2018年3月13日 リンク

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