東濃地科学センターの情報・意見交換会 研究所は2019年度以降も継続の可能性

11月11日の東濃地科学センターの地層科学研究 情報・意見交換会に参加しました。

 私の質問や報告者の発言、他の質問者への説明から、2019年度で超深地層研究所を終わる可能性に疑問を感じました。


 受付で名乗る前に私の名札を差し出され、以外だったので、理由を聞いたところ、いつも参加しているからだそうです。ほとんどが地層処分の関係者で、市民が参加するだけで目立つのでしょうか。

当日の報告は、「地層処分事業と安全規制を支える技術基盤の整備状況」 <リンク>をテーマに

◆地層処分技術に関する研究開発を取り巻く最近の状況

◆成果の報告と今後の計画
(1)超深地層研究所計画
  ①第2期中期計画期間における研究成果
  ②今後の深地層の研究施設計画

(2)地質環境の長期安定性に関する研究
  第2期中期計画期間における研究成果と今後の計画

以下、私の関心と質問だけを報告します。

◆ 「地層処分技術に関する研究開発を取り巻く最近の状況」
 放射性廃棄物ワーキンググループの中間とりまとめで「処分推進体制の改善」として、「処分事業の信頼性を確保する上で、“行司役”的視点に立った第三者評価が不可欠」とPPで説明しました。

 このことに対しドイツの組織が国民に信頼されているが日本ではできているのかと質問しました。
 NUMOと原子力機構の役割がどうのこうのと説明し、質問には答えていませんでした。

 私がつい、放射性廃棄物ワーキンググループでは中間とりまとめの際、改正された原子力委員会が適当ではないかという意見が出されたが、第三者とは評価できないとの意見もあり、決定していないと発言してしまいました。


第2期中期計画期間における研究成果
 ここでは超深地層研究所の概要説明と、超深地層研究所の成果を「CoolRepH26 <リンク>にまとめてホームページにアップしているとの紹介でした。

原子力機構は岐阜県に対し立坑は500mで終了と説明しています。ところが超深地層研究所の概要報告で、立坑が地下500mに到達していることを説明し、 「掘削は一旦終了」と説明しました。まだ掘るつもりかとギョッとしました。

 「成果課題ダイジェスト」、「課題ダイジェスト群」と詳しく見ることができるとの説明でした。
しかし「成果ダイジェスト」だけを見ていると大丈夫メッセージだけが伝わるように思いました。
 元資料である委託先の報告書から順次たどっていくことが確実だと思いますし、原子力機構もそこまでたどることができるシステムにすることで、各ダイジェストに信頼が得られると思います。

 断層の状況、成分によってグラウト剤を変えることで、湧水量が低減させた事例などを報告されました。
 それほど(合理的に?)湧水抑制対策をしても、依然として地下水は850立米超えています。これを超深地層研究所と同じような地質に適用して高レベル廃棄物の処分場できるというのでしょうか。グラウト剤の耐用年数はどれくらいでしょうか。仮にできても、時間と費用が膨大にかかるでしょう。埋めた後の長い長い年月の安全と安心が保たれるのでしょうか。


「今後の深地層の研究施設計画」 
「日本の地質環境の特徴」を説明する際、瑞浪URLとスウェーデンの地下研究所の違いを説明しながら、日本は現状で処分できると発言したことにはため息でした。
 勿論、原子力機構の2000年レポートで高レベル廃物処分の可能が得られたとして、特定放射廃棄物の最終処分に関する法律が成立し、NUMOが設立され、処分候補地を公募し、国が文献調査地区に適した地域に申し入れの準備をしています。

 しかし日本学術会議は2012年9月に当時の原子力委員会に「回答」<リンク>を示し、その中で、「 科学・技術的能力の限界の認識と科学的自律性の確保」の必要性を強く指摘しています。

 具体的には、P.19「特定の専門的見解から演繹的に導かれた単一の方針や政策のみを提示し、これに対する理解を求めることは、もはや国民に対する説得力を持つことができない」そのために「自律性のある科学者集団(認識共同体)による専門的な審議の場を確保する必要がある。」
 重要な「回答」を無視した研究機関の姿をまざまざと見せつけられました。これは報告者1人の意識ではなく、原子力機構全体の意識の問題です。

 私の質問
  
  岐阜県知事は超深地層研究所の施設計画について、地元への説明の場を設けるよう要請したところ、「機構では、11月11日に「平成26年度東濃地科学センター 地層科学研究 情報・意見交換会」を開催し、今後の研究施設計画を地元に説明すると聞いております」(2014年10月15日付岐阜県回答)を受け手質問します。
報告者の意図と総務課の意図が食い違っていても、それは原子力機構の問題ですと前置きしました。
 岐阜県は2019年度に研究を終え、2022年1月に超深地層研究所を埋め戻すと市民団体に回答しました。しか
 
 研究施設計画のP.1「今後とも、長期にわたる地層処分事業の過程で科学技術の進歩や事業の進展状況等によって変化する研究ニーズに継続的に取り組んでいく必要があり、こうした長期の取り組みに対する重要なインフラであることを念頭に置くことが必要である」とあり、この説明だと、処分事業の終了まで研究所が継続することになります。

 一方、P2の「原子力機構の第3期中期計画期間(平成27~31年度)末までに、研究の進捗状況等を確認し、跡利用検討委員会での議論も踏まえ、坑道埋め戻しなどのその後の進め方について決定する」と矛盾しますが、2019年度で研究を終えるのですか。

また、先の成果報告で、立坑「掘削は一旦終了」と説明されましたが、原子力機構は岐阜県には500mで掘削終了と説明しています。さらに掘削する場合がありますか。

報告者
 必須の課題として立坑は500mで掘削は終了。
 平成34年1月までに埋め戻すことを前提に第三次中期計画中に決定します。

再質問 
 基盤研究開発調整会議でさらなるニーズに応える必要がある等となった場合、研究所を継続する可能性はゼロですか。原子力機構は断ることができるのですか。

報告者
 5年間の計画であるとのみでした。

意見
 「第4期中期計画は決して認められない」と意見を述べました。
  第4期中期計画の可能性を否定できないと感じました。

「掘削は一旦終了」について
 原子力機構内部の情報共有の悪さは、もんじゅの事例からも明らとはいえ、超深地層研究所の立坑掘削深度がどれだけになるかは、「研究者」共通の関心事でもあり、基礎・基本の情報です。
 それを知らなかったのか、原子力機構内部では「掘削は一旦終了」なのか、私には判断できません。

◆「地質環境の長期安定性に関する研究」でNNUMOの方が、原子力機構の隆起沈降浸食の研究は一区切りついたのかとの質問に対し、処分で隆起沈降速度を求める技術が必要となれば我々(原子力機構)がやっていくと答えました。
 
 地質の長期安定性の研究は超深地層研究所の研究ではなく、東濃地科学センターの研究となっていますが、超深地層研究所計画に関わる研究も同じ理由で、延期される可能性が高い思いました。
 

◆高レベル放射性廃棄物処分場に関わる人たちの広がり
 3人掛けの席の真ん中に座りたいといって私の隣りに座った人が、わざわざ自己紹介されました。
 かつて東濃で仕事をし、今は大手土木建設会社の営業部長をされていると、名刺をいただきました。
 私たちや幌延の住民のこともよくご存じで、このブログもご覧になっているとのことでした。
 国やNUMOよりも、こういう方が高レベル放射性廃棄物の処分場の立地に大きな役割を果たすのではないかとと思いました。


2014.11.12 岐阜新聞記事
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超深地層研の課題説明

東濃地科学センター 市民らと意見交換

高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する研究を進めている日本原子力研究開発機構東濃地科学センターによる本年度の地層科学研究情報・意見交換会が11日、瑞浪市寺河戸町の市地域交流センターときわで開かれ、同市明世町にある同センターの研究施設「瑞浪超深地層研究所」で来年度から5年間に取り組む必須の研究課題が説明された。
超深地層研での研究成果や計画内容を伝える場として、同センターが2003年度から
毎年実施。今年は2日間の日程で、初日は大学や企業の研究者や技術者、市民ら約140人が出席した。

 原子力機構が今年9月に示した機構改革に伴う超深地層研課題を説明。大規模湧水に対する地下水管理技術の開発や、花崗岩での岩の割れ目での物質移動現象の調査解析、坑道の埋め戻し技術の開発という三つの課題について「平成31年度末までに、最大限の研究成果が得られるよう取り組む」とした。
      (沢野都)