岐阜県知事宛 超深地層研究所の研究期間に関する質問書

 2014年6月20日に知事宛「超深地層研究所の廃止撤退に関する要請書」を提出  (リンク) した私たちは、担当課の対応や知事の議会答弁から、原子力機構の研究期間20年との約束を守らせる必要性を強く意識し、改めて知事に期限についての質問書を2014年7月16日に提出しました。

2014年7月16日
岐阜県知事 古田 肇様

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超深地層研究所の研究期間に関する質問書

 私たちは本年6月20日の知事宛「超深地層研究所の廃止撤退に関する要請書」で超深地層研究所(以下、「研究所」)は原子力機構が示した研究期間の20年間で終了し、研究所を完全に埋め戻して撤退することを強く求めています。
ところが知事は2012年6月28日の岐阜県議会定例会で研究所の研究期間についての質問に対し、以下のように答弁しています。

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研究所では、現在、地下五百メートル程度まで掘り進んで研究が行われているという状況でございまして、今後の研究計画に関する国の見通しにつきましては、資源エネルギー庁では、「深度五百メートルより深い場所での研究を行う必要が生じた場合などには、研究期間を延長することも検討すべきと考えている、研究期間の延長が必要な状況に至った場合には、地元自治体と相談したいと考えている」というふうに言ってきております。
県としては、研究期間の延長が必要となった場合には、まず国から地元に相談があるものと理解しておるわけでございます。そして、そのような相談があった場合には、地元市とも協議しつつ、延長後の研究計画が本来の目的に合致したものであるかどうか、県や市との四者協定に反するものではないか等について、十分チェックしてまいります。」 (岐阜県議会議事録)

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つまり、知事は研究期間の延長が必要な場合は事前に相談がある。その場合、県としては延長後の研究計画が本来の目的に合致したものであるか、および四者協定に反しないことをチェックすると答弁し、条件付きながら期間延長を認めています。

 しかし、残念ながら岐阜県の高レベル放射性廃棄物処分政策や原子力機構の事業に対するチェックは、全く不十分です。
例えば原子力機構が2008年8月の研究所の事業計画を年度途中で変更し、地下300㍍に「国民との相互理解のため」100㍍の水平坑道を建設すると発表しました。私たちは同年9月2日に知事に対し、最終処分場がない今、処分可能な地下300㍍に水平坑道を建設することは処分場の宣伝施設となるので認めるべきではないなどの理由から質問書を提出しました。しかし担当課は年度当初の説明で変更の可能性を聞いたので問題ないと、私たちの指摘にとりあわないふりをしました。

ところが私たちの質問直後、3回にわたり原子力機構を県庁に呼んで聞き取り調査をし、同年10月22日には原子力機構理事長を呼び、知事が原子力機構の連絡の悪さを「仏の顔も三度まで」、「今後、同様の事態が発生した場合は当県でやってもらわなくても結構と思っている」と厳しく言い渡しました(別添1「瑞浪超深地層研究所の事業計画の変更に係る原子力機構理事長と知事との面談」担当メモ 2008年10月22日)。この件は別添2「日本原子力研究開発機構の改革について」(別添2 3-⑤ (2013年9月25日)に該当します。

 しかし、原子力機構は公表直後に工事を開始しており、私たちの指摘どおり実質的な高レベル放射性廃棄物処分場の宣伝施設となっています。岐阜県として宣伝施設の建設を認めたのです。この宣伝施設の影響を最も強く受けるのは岐阜県民であり、そのための施設です。

 このほか、岐阜県が原子力機構を共管する文部科学省や経済産業省に十分な管理監督の必要性を伝える5点の指摘事項のうち別添2 3-①~③(別添2参照)は私たちが裁判や岐阜県議会で明らかにした事柄です。
このほかにも、資源エネルギー庁と原子力機構からなる「地層処分基盤研究開発調整会議」が作成した「高レベル放射性廃棄物の地層処分基盤研究開発に関する全体計画」や原子力委員会の発言等のチェックが抜け落ちていました。今は原子力機構から報告があるようですが、報告前に県が全てにおいてチェックし、問題を指摘できなければ原子力機構の説明を鵜呑みにすることになりかねません。

このように岐阜県における原子力機構や高レベル放射性廃棄物処分政策へのチェック機能は著しく不十分であることから、なおさら超深地層研究所の研究期限は延長すべきではないと考えます。

 そもそも高レベル放射性廃棄物処分に関わる事業内容や研究分野は専門的でかつ多岐にわたり、担当課に本来の業務にプラスして、専門的かつ多岐分野のチェックを要求すること自体無理があります。職員にこのような無理をさせるのではなく、原子力機構が表明した研究期間20年での撤退を求めるべきと考えます。

 ところが知事の答弁には期限に対する歯止めの視点が全くありません。そこで研究所の研究期間に関わる質問をします。勝手ながら7月31日までに文書にて回答をお願いします。

1.資源エネルギー庁や原子力機構からなる基盤研究開発調整会議の報告書「高レベル放射性廃棄物の地層処分基盤研究開発に関する全体計画」には瑞浪と幌延による基盤研究開発が2040年まで続く図が示されています。この図に対して、原子力機構は岐阜県担当課に「地層処分の計画は2040年まで続くとされているが、超深地層研究所における研究が2040年まで続くということではない」(「地層処分基盤研究に関する全体計画について」(別添3 2013年8月28日)と説明しています。この件について質問します。

①超深地層研究所はいつ終わるのか、その期限と根拠をどのように聴いていますか。

②聴いていない場合は、なぜ聴かなかったのか、その理由を示してください。

③「超深地層研究所における研究が2040年まで続くということではない」と答えた根拠を原子力機構に確認して、回答してください。

④超深地層研究所の終了時期と根拠を共管する文部科学省及び経済産業省に確認し回答してください。

2.研究期間の延長について

①延長を認める前提に立つ答弁をした理由を説明してください。

②延長した場合の期間の歯止めは何を根拠としますか。歯止めとする根拠を具体的に示してください。

③期間の歯止めが不要な場合は、その理由を具体的に示してください。


なお、私たちは2000年に岐阜県の担当課と話し合いをした際、担当課は研究終了の規定がないことについて、「研究所が処分場にならなければ、100年でも、200年でも研究してもらってよい」と説明したことを念のため申し添えます。

      以上

この件の回答先と連絡先/放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜 兼松秀代

 
 ◆補足

1.別添2「日本原子力研究開発機構の改革について」(別添2 3-⑤ (2013年9月25日)の画像
画像


2.質問書で208年8月の超深地層研究所の地下300㍍で「国民との相互理解のため」という名目で、高レベル放射性廃棄物処分場の宣伝坑道を100㍍建設する(リンク 原子力機構東濃地科学センター2008年8月の事業計画変更について)ことにいて、岐阜県担当課の超深地層研究所に対する危機感のなさから、チェック機能が全く働かなかったこと、原子力機構という組織への警戒感のなさが露呈した事例を取り上げています。
 この事例は、込み入っているので、2014年7月18日のブログで紹介します。



岐阜新聞2014.07.17
超深地層研
研究期限、明示を
 市民団体が県に質問書

「放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜 (兼松秀代代表)
など12の市民団体が16日、高レベル放射性廃棄物の地層処分を研究 する瑞浪超深地層研究所(瑞浪市)の研究期間に関する質問書を県に提出した。
 日本原子力研究開発機構は、瑞浪超深地層研究所と幌延深地層研究センター(北海道幌延町) の統廃合を合めて事業を見直しており、今年9月末までに文科省へ計画の提出を考えている。
 質問書は、施設の廃上を求める県民の思いを知ってもらおうと提出。▽超深地層研究所はいつ廃上されるのか▽研究期間を延長した場合の期間の歯止めは何か―など、7項目を問うている。今月31日までに、県の回答を求めている。
県庁を訪れた兼松代表は「研究がいつまでも続けば、県民の不安は募るばかり。明確な期限を教えてほしい」と話した。
(森川みどり)



中日新聞 2014.07.17
地層研15年度末終了を
市民団体県に要請申し入れ

瑞浪超深地層研究所(瑞浪市)の廃止を求めている県内の市民グループ十二団体は十六日、当初予定の二〇一五年度末に研究を終わらせるよう求める申し入れを県に行った。
求めたのは「放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜」など。同団体の兼松秀代代表 =岐阜市=が県環境生活部の担当者に申し入れ書を手渡し、「研究は一九九六年から二十年間と公表されている。早くやめさせるよう、県として働き掛けていただきたい」と求めた。担当者は「検討させてもらいます」とした。
研究所は国の独立行政法人である日本原子力研究開発機構(茨城県東海村)が所管。地下五百㍍で高レベル放射性廃棄物の処分方法を研究している。九月末までに来年度以降の研究方針が示される見通し。
(大島康介)


 岐阜放送が7月16日18時30分頃のニュースで質問書を提出したことと、超深地層研究所の映像が流れたと参加された方から連絡をいただきました。