原子力委員長の高レベル廃棄物処分地セールス不調 選定時期延期の可能性
高レベル廃棄物処分地選定時期、先延ばしの可能性
近藤原子力委員長の高レベル放射性廃棄物処分地セールス不調
高レベル放射性廃棄物処分地確保のための検討をしていた総合資源エネルギー調査会の放射性廃棄物小委員会は2008年1月、NUMOの公募を維持しつつ、国による自治体への申しいれを認めました。その後、瀬戸内に面した市議会では応募を検討するよう質問が出たそうですが、進んではいないようです。
2008年12月31日、東奥日報の近藤駿介原子力委員長へのインタビューについての記事「再処理延期 社会との信頼関係器具/近藤・国原子力委員長に聞く」で、高レベル廃棄物処分地選定について「長期計画は何を目指して今日どう振る舞うかを共有する手段であって、未来を決めるものではない」とも語り、「平成40年代後半」としている処分事業の開始が、選定の進ちょく状況などによっては延びる可能性にも含みを残した。」と見ています。私もそのとおりだと思います。
近藤委員長がこのように語った理由の1つには、委員長自身が2008年3月から12月までに13都県の知事と面談し、簡単には理解は得られないことを実感したためではないかとおもいます。
原発や原子力施設立地県の知事との面談は「折に触れて」されていた(委員会事務局)そうですが、立地県以外の知事との面談は、今回が初めての試みで、全国の知事と面談する計画です。名目は原子力政策に理解を得るためですが、主な目的は高レベル廃棄物処分地セールス(関心度などの打診)でしょう。
原子力委員会資料はこちらから
第51回原子力委員会定例会議 2008年12月16日
配付資料(3) 「原子力委員長と地方自治体首長との意見交換の結果について 」
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2008/siryo51/tei-si51.htm
☆私たちが注意すべきこと
・国の狙いは知事。高知県知事のように反対されると、やりにくい。だから反対しない知事、説得に応じそうな知事を探している。このことを忘れないこと。
・しかし、地震大国でかつ地下水の豊富な日本で、高レベル廃棄物を地下に埋め捨てすることの信頼性のなさと、研究機関の信頼性のなさひいては、原子力事業と原子力政策が民主主義とは対極にあること(金で地域を窒息させる)が、受け入れを拒む大きな要因。
ところが近藤委員長は高知県東洋町民と議会そして知事の反対を知りながら応募を受理したNUMOと文献調査を認めた国の強引さが、国民や知事に大きな衝撃と不信感を与えたことには思い及ばない。
一方、国民は首長が応募してしまえば、その首長を入れ替えて取り下げ書を出す以外に、止める手だてがないことを東洋町の出直町長選挙から学んだ。
この隔たりは深く大きい。
◆東奥日報
◆東奥日報
近藤原子力委員長の高レベル放射性廃棄物処分地セールス不調
高レベル放射性廃棄物処分地確保のための検討をしていた総合資源エネルギー調査会の放射性廃棄物小委員会は2008年1月、NUMOの公募を維持しつつ、国による自治体への申しいれを認めました。その後、瀬戸内に面した市議会では応募を検討するよう質問が出たそうですが、進んではいないようです。
2008年12月31日、東奥日報の近藤駿介原子力委員長へのインタビューについての記事「再処理延期 社会との信頼関係器具/近藤・国原子力委員長に聞く」で、高レベル廃棄物処分地選定について「長期計画は何を目指して今日どう振る舞うかを共有する手段であって、未来を決めるものではない」とも語り、「平成40年代後半」としている処分事業の開始が、選定の進ちょく状況などによっては延びる可能性にも含みを残した。」と見ています。私もそのとおりだと思います。
近藤委員長がこのように語った理由の1つには、委員長自身が2008年3月から12月までに13都県の知事と面談し、簡単には理解は得られないことを実感したためではないかとおもいます。
原発や原子力施設立地県の知事との面談は「折に触れて」されていた(委員会事務局)そうですが、立地県以外の知事との面談は、今回が初めての試みで、全国の知事と面談する計画です。名目は原子力政策に理解を得るためですが、主な目的は高レベル廃棄物処分地セールス(関心度などの打診)でしょう。
原子力委員会資料はこちらから
第51回原子力委員会定例会議 2008年12月16日
配付資料(3) 「原子力委員長と地方自治体首長との意見交換の結果について 」
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2008/siryo51/tei-si51.htm
☆私たちが注意すべきこと
・国の狙いは知事。高知県知事のように反対されると、やりにくい。だから反対しない知事、説得に応じそうな知事を探している。このことを忘れないこと。
・しかし、地震大国でかつ地下水の豊富な日本で、高レベル廃棄物を地下に埋め捨てすることの信頼性のなさと、研究機関の信頼性のなさひいては、原子力事業と原子力政策が民主主義とは対極にあること(金で地域を窒息させる)が、受け入れを拒む大きな要因。
ところが近藤委員長は高知県東洋町民と議会そして知事の反対を知りながら応募を受理したNUMOと文献調査を認めた国の強引さが、国民や知事に大きな衝撃と不信感を与えたことには思い及ばない。
一方、国民は首長が応募してしまえば、その首長を入れ替えて取り下げ書を出す以外に、止める手だてがないことを東洋町の出直町長選挙から学んだ。
この隔たりは深く大きい。
◆東奥日報
2008年12月31日(水)
再処理延期 社会との信頼関係危惧/近藤・国原子力委員長に聞く
六ケ所再処理工場の本格操業開始が遅れている現状などに関し、国の原子力委員会の近藤駿介委員長は三十日までに、本紙インタビューに応じた。近藤委員長はガラス固化体(高レベル放射性廃棄物)製造試験の難航で完工時期がずるずると延びていることについて、「(社会との)信頼の構造が変化する可能性がある」と述べ、事業者と社会との信頼関係にひびが入ることを危惧(きぐ)。その上で日本原燃が理解を得るための努力をするよう求めた。しかし完工時期を小刻みに延ばす原燃の姿勢自体については、情報公開の結果ととらえ「透明性が保たれている」と評価した。
操業開始がアクティブ試験開始(試運転)当初の予定(二〇〇七年八月)から大幅に遅れていることは、「社会との約束という意味では重大」としつつも、「大きなシナリオを考え直すべき状況ではない」と述べ、核燃料サイクル計画全体への影響は少ないとの認識を示した。
一方、いまだに手を挙げる自治体が現れない高レベル放射性廃棄物最終処分場の選定については「これまで国と原子力発電環境整備機構(NUMO)が、必死になって国民との信頼の構図をつくってこなかった」などと批判。今年に入って取り組みが本格化したとの見方を示した。
その上で「長期計画は、何を目指して今日どう振る舞うかを共有する手段であって、未来を決めるものではない」とも語り、「平成四十年代後半」としている処分事業の開始が、選定の進ちょく状況などによっては延びる可能性にも含みを残した。
日本原燃は十一月に、六ケ所再処理工場の完工時期を〇九年二月に延期したが、その後溶融炉内の耐火れんがが抜け落ちるトラブルなどが発覚し、さらに遅れる見通し。
◆東奥日報
2008年12月31日(水)
原子力委・近藤委員長の一問一答
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2008/20081231100727.asp
近藤駿介・原子力委員会委員長へのインタビューの一問一答は次の通り。
-六ケ所再処理工場のガラス固化体製造試験が難航し、完工時期が何度も延期される状況となっている。
「これまで世界で建設されてきた再処理工場は、どこも性能を十分に発揮するまでに数年かかっている。原因はいろいろだが、基本的には運転条件を確立するのに手間取っている。だから私は『何年何月から本格操業を開始する』というのは、原発の立ち上げのような意味でなく、そうした取り組みが続くことも含む操業であることについて、行政や地域社会との間で相互理解活動をしっかり行うことが大切と言っている」
「事業者が信頼を得るためには、透明性、公開性が基本だ。ただ、操業開始時期がずるずると延期されていくことが公表される今日の状況は、『あの会社は大丈夫なのか』というふうに信頼の構造が変化する可能性がある。事業者は、社会との間で信頼の構造を壊さないように細心の注意を払う必要がある。この点については行政も協力してもよい。青森県の皆さんには、当事者が小出しに(完工時期を)発表するのは、(原燃の)透明性が保たれていると評価して『温かく見守ってほしい』と申し上げたい」
-完工時期にこだわらず、じっくりと技術確立を目指すべきだ、という声が多くなっている。「もう一つある溶融炉も使って試験を進めては」との提案も出ている。
「専門的には、いろいろな選択肢が提案され、議論されるべきで、私も専門家として考えを口にすることはある。しかし事業の進め方について行政が口を出すのは慎むべきだ」
-基本的には静観すると。
「原燃には、過去の知見を総動員して歩を進め、結果を十分に評価して新知見をくみ取り、次の歩の準備に最大限に生かしていくという着実な取り組みを行って、原子力政策の期待に応えてほしい-と言っている。それができないなら政策変更も考えなければならないが、今はそういうことは考えていない」
-完工の遅れが、核燃料サイクル全体に与える影響については、どうみているか。
「社会との約束から二年近く遅れているのは、重大だと思う。だが、核燃料サイクルに関する取り組みは、さまざまな事業者が分担して整合的に行っていくことで前進していくものだ。その過程には地震もあれば、故障もあり得るから、二〇〇五年にまとめた原子力政策大綱では(事業者の)リスク管理の重要性を指摘してある。今は、ここで考えた大きなシナリオを考え直す状況にあるとは思わない」
-高レベル放射性廃棄物の最終処分地の選定も遅れている。
「九月に委員会としての評価をまとめた。その中では、国と原子力発電環境整備機構(NUMO)が、自治体が公募に手を挙げてくれるよう、必死になって国民との間で信頼の構図をつくってこなかったことを指摘した。また『公募を検討しよう』という発言が自由にできる環境をつくってこなかったことも指摘した。両者はようやく目を覚まし、シンポジウムや市民との対話などを通じて、そうした努力を始めた。まだまだ生ぬるいが、汗をかき始めていることを、青森県の皆さんには理解してほしい」
「長期計画は何を目指して今日どう振る舞うかを共有する手段であって、未来を決めるものではない。処分の開始時期を平成四十年代後半としたからこそ、応募してもらえる環境を早急につくることがとても大事になった。当事者には渾身(こんしん)の力を込めて進めてほしいと思っている」
<こんどう・しゅんすけ 1942年、札幌市生まれ。東大大学院工学系研究科博士課程(原子力工学専攻)修了。東大大学院工学系研究科教授、東大原子力研究総合センター長を経て、2004年1月から現職>
※写真=六ケ所再処理工場の現状などについて本紙インタビューに答える近藤委員長
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