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zoom RSS 「核のごみマップ 国民議論喚起し改訂を」今田高俊氏元学術会議HLW処分に関する検討委員長

<<   作成日時 : 2017/08/21 19:11   >>

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2017年8月12日福井新聞

核のごみマップ 国民議論喚起し改訂を

2017年8月12日09:33 リンク

 東工大名誉教授・今田高俊

 原子力発電所から出る核のごみ「高レベル放射性廃棄物」の処分場の適地となりうるマップが政府により公表された。公募方式による最終処分場の候補地選びが一向に進まない中、国は2015年に「政府が前面に立って」科学的有望地を提示し、調査への協力を自治体に申し入れるとした。

 最終処分場を検討するために「科学的特性マップ」作りをすることの意義は大きい。問題はどれほど客観的なマップ作りができているかである。

 気になるのは、この作業が省庁主導のワーキンググループでなされたことだ。委員を選定する際、中立性・公平性を確保するために、地層処分に関連する学会からの推薦方式を中心とした選定を行ったとのことであるが、一部の学会から疑義が提出されるなど、不透明性が残るものであった。 ※1及び2

 日本学術会議は12年9月に、原子力委員会への 「回答」 で、適地選定を含む科学的・技術的な安全性の検討に際しては、「自律性のある科学者集団」からなる独立の第三者機関が担当すべきであると提言した。

 また、原子力委員会もこれを受けて、同年12月に、「政府に対して取組の改善提案を行う使命をきちんと果たせる第三者組織を整備すること」とする見解を表明している。要は、独立の第三者組織を、きちんと機能させる強い決意を持つべきだとしたことだ。けれども、今回のマップ作りに、これらの意見は反映されなかった。なぜ国は処分場のマップ作りの主導権を握ることにこだわるのか。これでは、東京電力福島第1原発事故で失った国民の信頼回復にとって逆効果である。

 マップは全国くまなく大ざっぱに四つに色分けされている。適性の可能性がある地域は全国で約65%、とりわけ海岸から20キロ以内の輸送面でも好ましい適地は全国で約30%、約900の自治体が含まれる。これだけ茫漠(ぼうばく)としたマップをどう利用するというのか。「処分地選定を着実に進めていることの政治的アリバイづくりだ」とされては身もふたもなかろう。

 現在の科学の水準では、日本の地層の安定性を数万年単位にわたって予測することは不可能だとする見解が支配的である。科学には限界がある。そこを十分認識したうえでのマップ作りが必要である。

 処分場で不測の事態が発生したら核のごみを回収して別の処分場に移す必要があること(可逆性)をどう担保するのか。原発を再稼働すれば核のごみは増え続けるので、ごみの総量のめどを立てることも重要である。処分場はそういくつも造れない。今回の科学的特性マップには、こうした課題に丁寧に対応する意図は感じられない。

 核のごみ処分の責任は、原子力を使ってきた私たちの世代が負うべきである。次世代にツケを回してはならない。そのために急ぎマップ作りを試みたのであろう。だから、このマップは初版である。

 今回のマップを基礎にして国民的議論を喚起し、政府から独立した第三者機関による議論もふまえてマップの改訂を図っていくことが、核のごみ最終処分に関する社会的合意形成の近道になると思うのである。

 いまだ・たかとし 1948年、神戸市生まれ。社会学・社会システム論が専門。東工大教授などを経て14年から現職。日本学術会議の高レベル放射性廃棄物の処分に関する検討委員会委員長を務めた。


     
※1 リンク
  「高レベル放射性廃棄物の暫定保管に関する政策提言-国民的合意形成を焦点として」 東京工業大学 名誉教授 今田高俊 氏 掲載日:2015年8月19日 注4

※2 リンク 放射性廃棄物地層処分技術ワーキンググループ設立をめぐって――日本地震学会からの回答と考え方・・・・・・・・・・・加藤 照之(p.86) 2015.3 日本の原子力発電と地球科学 公益社団法人日本地震学会




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