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zoom RSS 福井の原発に依存する財政に警鐘を鳴らす書籍 3冊 

<<   作成日時 : 2017/05/21 19:16   >>

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中日新聞福井県版  2017年5月5日

原発依存度「地元経済の16%」
 原子力市民委員会が報告書
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研究者らが県内の原発立地自治体や地域経済を分析した報告書

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 全国のさまざまな分野の研究者らでつくる原子力市民委員会が四月、若狭地域の経済状況などを分析し、報告書「原発立地地域から原発ゼロ地域への転換」にまとめた。原発が立地する敦賀、美浜両市町の経済活動全体に対する原発依存割合は、東京電力福島第一原発事故前の二〇一〇年時点で16%程度だったと算出。「依存度の高い企業は一部。原発がないと地域が成り立たないということはない」と指摘している。


 市民委は、原発依存からの脱却を模索する組織として一三年に発足し、九州大の吉岡斉教授(原子力政策)が座長を務める。今回の報告書は、龍谷大の大島堅一教授(環境経済学)=鯖江市出身=を中心とした部会が、地域経済や自治体財政の観点から、国内外の事例を基に原発依存から脱却する必要性を説いている。


 敦賀市と美浜町の経済分析は、野村総合研究所が経済産業省の委託で一四年に実施した調査や敦賀商工会議所のアンケートなど公表されているデータを基に実施。電力会社の事業支出のうち地元企業への発注は大半が保守・検査業務で、全体の16%にすぎず「原子力は地元産業との関連が希薄」という。


 宿泊などの波及効果を含めても、経済効果はこの地域全体の経済活動の16%にとどまるとして「局所的な対応をすれば原発廃止による影響は緩和できる」と指摘している。


 さらに、高浜、おおい両町も含めた四市町の財政を、原発のない同規模の自治体と比較した。原発のある自治体は、財政規模が大きく、特に電源三法交付金の八〜九割が充てられるハコモノなどの建設費と運営費が突出しており、うち恒常的に必要となる運営費がほぼ半分を占めるなど大きな負担になっていた。


 報告書は「歳入が膨張した状態が続いている。投資を増やすほど将来の施設運営費が増える負の連鎖に陥り持続不可能な財政運営」と指摘。電源三法交付金や固定資産税がなくなっても地方交付税で必要分は賄われるとして、ドイツを例に再生エネルギーの拠点などに転換する必要があると訴えている。


 部会長の大島教授は「原発はずっとあるわけではなく、斜陽の原子力に活路を見いだすリスクを認識した方が良い。立地以外は地域資源を生かしたまちおこしをしており、ゼロになることを見越して地域づくりをしないと立ち行かなくなる」と話す。

 (中崎裕)



  原子力市民委員会 特別レポート4
     『原発立地地域から原発ゼロ地域への転換』リンク
  
 2017年5月18日 中日新聞 福井県内版
交付金漬け、町の選択は 高浜再稼働、元町職員の思い
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 県産スギを使い、約42億円をかけて建設された高浜町役場=同町で

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 十七日夕に再稼働した関西電力高浜原発が立地する高浜町。かつて貧しかった漁村は、原発により同規模の町の二倍近い潤沢な予算を扱う自治体となった。原発再稼働により、このまま依存を続けていくのか。元町幹部の清常光洋さん(74)は原発の恩恵で発展してきた歴史を振り返りつつ「あぶく銭」に浸った町の今後を憂う。


 「これからが町にとって正念場だ」。清常さんは十七日午前、高浜町内の自宅で、間もなく再稼働を報じるテレビニュースを見ながら、つぶやいた。


 清常さんが町職員になったのは、原発誘致前の一九六二(昭和三十七)年。町に大きな税収がなく、職員の給与にも事欠いていた。「海岸沿いの中心部では、井戸水は塩辛く、住民は山の方まで飲み水をくみに行っていた」と振り返る。


 周辺と比べ大幅に遅れていた上下水道の整備に充てる財源や火葬場の更新費用を確保するため、多額の固定資産税をもたらす工場の誘致を探った。だが「そもそも工場の多くは、豊富な工業用水が要る」。財政難がピークに達したころ、当時の町長が持ってきたのが原発誘致だった。


 清常さんも企画課員として原発誘致に奔走した。「問題は原発の危険性よりも水だった。原子炉を冷やすには海水を使うから、生活用水は奪われず、住民の説得は比較的たやすかった」と話す。


 一九七四年に高浜1号機が運転を開始し、国からの交付金を使って上水道が七八年に整備できると、「海水浴客が塩分のない水で体を洗えるようになり、反響があった」と充実感に浸った。


 しかし、後に総務課長となり各課からの要望を取りまとめる立場になると、役場の変化が気になるようになった。町の歳入の五割以上が原発関連の交付金と固定資産税。「交付金は原発が迷惑施設にみられるようになったんで、立地自治体を増やすために支払われるあぶく銭。(自治体側は)予算があるから、工夫しないし、国への要望にも熱がなくなる」。町の経済は、恵まれた自然を生かした漁業や観光ではなく原発に頼るようになった。


 現在、人口一万六百人に対し、一般会計予算は百億円前後。今年一月から使用を開始した役場の新庁舎は、国の交付金も含め約四十二億円を投じ、県産スギをはりなどにふんだんに使った。


 だが、高浜原発の使用済み燃料プールは六〜七年で満杯になるとされ、いつまで頼れるかは分からない。


 「使用済み燃料の処分問題は解決していない。原発には賛成でも反対でもないが、このままでは原発は止まる。今の税収があるうちに、やれることはたくさんある。やりがいのある仕事をしてほしい」。原発を受け入れたことに後悔はないが、後輩たちに新たな道を切り開いてほしいと願う。

 (山谷柾裕)



◆「依存型」に警鐘、書籍相次ぐ


原発に依存する財政に警鐘を鳴らす書籍など


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 県内の原発立地自治体などに焦点を当てた書籍の発行や研究が近年、相次いでいる。共通する指摘は原発依存型の経済への警鐘。著者らは「ポスト原発」に向け、持続可能な産業や財政へかじを切るよう促す。


 元越前市議の山崎隆敏さんは先月、著書「なぜ、原発で若狭の振興は失敗したのか」を出版した。その中で、県内の原発立地自治体は製造品出荷額や観光客数が非立地自治体に比べ伸びていないと指摘。「避難道の建設や放射線監視など、原発がなければ必要ない支出が多い。国は自治体の自立を促す施策を打つべき」と話す。


 全国の学識者らでつくる「原子力市民委員会」が先月まとめた報告書によると敦賀、美浜両市町の経済活動全体に対する原発依存割合は、東京電力福島第一原発事故前の二〇一〇年時点でも16%程度。「依存度の高い企業は一部。原発がないと地域が成り立たないということはない」とし、原発依存から脱し、再生エネルギー拠点などへの転換を促している。


 元神戸市職員で、甲南大などで教授を務めた高寄昇三さんは、一四年四月発行の著書「原発再稼働と自治体の選択」で、潤沢な財源給付が立地自治体の正常な政策感覚を狂わせ、誤った選択へと誘導しかねない、と危ぶむ。高寄さんは「多額のお金が流れ込んだものの、持続的、自立的な地場産業の発展にはつなげられなかった」といい、教育や医療、環境などの成長産業を育成すべきだと主張している。

 (山本洋児)


山崎隆敏氏著 『なぜ、原発で若狭の振興は失敗したのか』(白馬社 2017年4月刊)

高寄昇三氏著 『原発再稼働と自治体の選択』(公人の友社 2014年4月刊)

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