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zoom RSS 高速炉開発計画 核のゴミ対策に役立たず 破綻の核燃料サイクル繕えず危険が増すだけ

<<   作成日時 : 2016/11/02 05:46   >>

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 東京新聞は<核ごみの後始末 日仏のギャップ>(上) (中) (下)(2016.10.25〜10.27)を掲載しました。

 もんじゅを廃炉にして高速炉計画を進め、核燃料サイクルを維持すると主張する経済産業省は、高速炉で核のごみの量を減らし、危険期間を短くする。そのためフランスの高速炉「ASTRID(アストリッド)」計画に参加すると説明します。

 記者がフランスで「ASTRID」計画について尋ねると、まだ机上計画段階でした。 「有害物質を削減できる可能性について質問すると、「フェニックス(廃炉中)計画などで豊富な経験が」あると応えながらも、「「ロシアとの協力関係もある」と、照射試験などはロシアで実施する可能性に言及」し、本当に机上の空論でした。

 もんじゅの総括もせず責任もとらず、核燃料サイクル維持のために、流れ作業のように高速炉開発計画に乗り換える無責任さと核のゴミ減量できるとの宣伝に「ノー」と言いましょう。


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span style=color:#00c><核ごみの後始末 日仏のギャップ>(上) 
最終処分場、1億6500万年前の粘土層に <リンク>

2016年10月25日 朝刊

政府は、廃炉方針を打ち出した高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県)に代わり、フランスと高速炉を共同開発することで、核燃料サイクルを維持しようとする。両国ともエネルギー資源に乏しく、使用済み核燃料を再処理する方針は共通する。だが、十月中旬に参加した日本記者クラブのフランス取材団で痛感したのは、地震など自然リスクの大きさや、安全性に対する哲学に、日本とは大きなギャップがあることだった。三回に分けてリポートする。 (山川剛史、写真も)

  
政府は、廃炉方針を打ち出した高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県)に代わり、フランスと高速炉を共同開発することで、核燃料サイクルを維持しようとする。両国ともエネルギー資源に乏しく、使用済み核燃料を再処理する方針は共通する。だが、十月中旬に参加した日本記者クラブのフランス取材団で痛感したのは、地震など自然リスクの大きさや、安全性に対する哲学に、日本とは大きなギャップがあることだった。三回に分けてリポートする。 (山川剛史、写真も)

 原発を有するどの国も、十万年は人間から隔離する必要がある高レベル放射性廃棄物が悩みの種。その最終処分場といえば、フィンランド西岸のオルキルオト島に建設中の「オンカロ」が有名だ。実はフランスも、パリ東部約二百三十キロの穀倉地帯で処分場建設のめどをつけつつある。早ければ二〇一八年には処分場の設置許可申請、二〇年には建設が始まる見通しだ。

 見渡す限りの農地が広がるムーズ県ビュール村。九十人ほどが暮らす。国内で出る放射性廃棄物の管理・処分を担うANDRA(放射性廃棄物管理機構)の地下研究所がある。

 研究所は候補地の一角にあり、地下は四百二十メートルの石灰岩層の下に、厚さ百五十メートルの粘土層、その下は再び石灰岩層という構造。高レベル廃棄物を処分する場所とされるのは、真ん中の粘土層。一億六千五百万年前にできた。

 「粘土層は水を通さず、放射性物質が漏れ出るリスクが極めて小さい。粘土層は(英国との境の)ドーバー海峡付近まで広がっているが、地震や火山の心配がなく地盤が安定し、粘土層が厚いことを考え、この地を選んだ。研究所の設置には、二十八地域から応募があった」。ANDRA国際部長のジェラルド・ウズニアンが語った。

 研究施設は地下約五百メートルの粘土層をくりぬく形で広がる。作業用エレベーターで立て坑を降りること五分。現場に着いた。

 外気を循環させているため、気温は地上と同じく十五度ほど。降りてすぐ感じたのは、空気が乾いていることだった。トンネルの壁も地面もからからに乾いていた

    写真
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 日本にも北海道幌延(ほろのべ)町と岐阜県瑞浪(みずなみ)市に似た研究所があるが、どちらもポンプが二日間止まれば水没するほど水が出る。これほど状況が違うとは想像していなかった。

 日本では、地盤が古いといってもせいぜい幌延町の七千万年前。フランスやスイスは二倍以上古い。フィンランドのオンカロは十九億年も前にできた岩盤だ。安定度が違う。

 そのギャップを縮めようと、日本では廃棄物が入った容器の周りを人工粘土で固め、乗り切ろうとする。ただ、各国ともいかに水を近づけないようにするか知恵を絞っている。水の問題が解消されても、地盤が超長期にわたり安定しているかどうかの問題が残る。

 果たして日本に全ての問題をクリアする地が見つかるのか。ウズニアンに問うと、「可能性はある。断層の間にも、動かない場所はあるはず。諦めないことだ」と慰められた。 (敬称略)


<核ごみの後始末 日仏のギャップ>(中)
 安全対策に福島の教訓 <リンク>
2016年10月26日 朝刊

イギリス海峡を望む海岸で建設が進むフラマンビル原発3号機。溶けた炉心を受け止める貯水槽などを設置している=フランス北東部のフラマンビルで(山川剛史撮影)

 北にイギリス海峡を望むコタンタン半島では、フランス期待の新型炉フラマンビル原発3号機の建設が進んでいた。出力は百六十五万キロワットの大型だ。厚さ二メートルのコンクリートの巨大なドーム状の原子炉建屋も完成し、二〇一八年の運転開始に向け、作業員が慌ただしく動き回っていた。

 原発を一望する崖の上に立つと、ふと東京電力福島第一原発の敷地に似ていると思った。案内役のフランス電力(EDF)の上級エンジニア、ベルトラン・ミショーに聞くと、高さ八十メートル以上ある崖を切り崩し、原発の敷地を造ったという。

 「津波のことを言いたいの?」と言った後、「フクシマの教訓も踏まえ、何重もの対策をしましたよ」と自信たっぷりに話した。

 欧州の多くの地域と同じく、この辺りは地盤が古く安定し、地震や津波の心配はまずない。それでも八メートルの津波を想定し、敷地は海抜十二メートルある。福島で津波に破壊された海水ポンプは、フラマンビルでは強固な建物に収容されていた。福島で建屋地下にあって全滅した非常用ディーゼル発電機は、地上の専用建屋に入れた。出入り口は厚い防水扉で防護し、航空機テロも考慮し、離れた場所にもう一系統が備わっていた。

 フィルター付きベント(排気)設備も完備。核燃料が溶けて圧力容器を突き破っても、下には千八百トンの貯水槽があり、ここで受け止める。「コアキャッチャー」と呼ばれる日本の原発にはない設備だ。

 感心していると、ミショーはニヤリとし、「もう一つあります」と言った。

 原発外には、軍隊や消防の経験者やEDFの職員らで構成する常設の「原子力事故即応部隊(FARN)」が待機しているという。重機や発電機、ポンプなど独自の装備を有し、事故があれば十二時間以内に駆けつける。その活動拠点が、原発内に造られていた。

 部隊の創設は、EDFが日本の原子力規制委員会に当たる原子力安全局(ASN)に提案した。以降は規制基準に盛り込まれた。基準ぎりぎりの対策しか講じようとしない日本とは正反対の動きといえる。

 フランスは経済性と安全性を売り物に、新型炉を世界に輸出しようと狙う。その一方で、核のごみの後始末にもめどをつけた。そのフランスにも、未解決の悩みがある。使用済みの混合酸化物燃料(MOX燃料)をどうするか決まっていないことだ。

 使用済み核燃料は、フラマンビルの北十五キロほどにあるアレバ社のラ・アーグ再処理工場に送られる。取り出されたプルトニウムは、トラックで南東約八百キロの同社メロックス工場に運ばれ、MOX燃料に加工。二十二の原発で使われる。フラマンビル3号機でも使われる予定。問題は、リサイクルの輪が、一回しか回らないことだ。

 使い終わったMOX燃料は、通常の核燃料より冷えるのが大幅に遅く、有害物質も格段に増える。さらに再処理するのは難しく、原発やラ・アーグ工場のプールでためるしかない。現在三千トン近くあり、年間百二十トンペースで増えると見込まれている。 (敬称略)




<核ごみの後始末 日仏のギャップ>(下)
 
机上の域出ぬ次世代炉 <リンク>
2016年10月27日 朝刊

電力の八割を原発に頼るフランスは今後、依存度を五割程度に抑える方針を決めたものの、今後も強力に原発を推進し、使用済み核燃料を再処理してMOX燃料として再利用する方針は変わりない。

 ウラン採掘から再処理、原子炉の解体まで手がけるアレバ社。福島事故では、初期の汚染水処理装置を納入したことでも知られる。営業・研究開発を担当する副社長のギョーム・デュローは「再処理してリサイクルすることが、事業者の環境への責任ある態度だと思う」と強調する。

 「リサイクル」と言えば聞こえはいいが、MOX燃料を使うと、半減期の非常に長い有害な放射性物質が大量に出る。デュローは「理論的には再び処理して使うのは可能だと確信しているが、事業としてはやっていない」とも言った。

 ただ、使用済みMOX燃料が、年百二十トンペースで原発や同社ラ・アーグ工場のプールにたまり続けているのは事実。これらを再処理するのかどうか、最終処分はどうするのかは決まっていない。

 そこで、やっかいな放射性物質を別の物質に変換するなどして大幅に廃棄物の量を減らそうと持ち上がったのが、高速炉「ASTRID(アストリッド)」計画だ。

 日本政府は、失敗に終わって廃炉の方針を打ち出した高速増殖炉「もんじゅ」(福井県)の代わりに、この計画に参画することで、核燃料サイクルを維持しようとしている。

 計画が一体どの程度まで進み、実現性はあるのか、コストはどれくらいかかるのか。計画の担当マネジャー、ジャンマリ・カレールに原子力・代替エネルギー庁(CEA)マルクール研究所で会うことができ、多くの質問が出た。

 「二〇一九年までが研究期間。その結果を基に、実施するかどうか決める。コストについては、まだ何とも言えない。日本からは六十〜八十人の研究者が来ていて、協力は順調」。カレールはこう答えた。

 もんじゅと同じく爆発性のあるナトリウムを冷却材に使う高速炉で、出力は六十万キロワット。三〇年ごろの運転開始を目指す。もんじゅのように燃料を増やすことは目指さず、有害物質の削減に主眼を置く−。

 明確な方針はこれくらいで、計画はまだ机上の段階であることは確かだ。

 重ねて有害物質を削減できる可能性について質問すると、「フェニックス(廃炉中)計画などで豊富な経験があり、技術的にはすべての物質を処理できる。ただ、全部をやろうとすればコストがかかり、物質の危険度とコストを考え合わせて進めることになる」と答えた。

 日仏共同研究とはいえ、フランス側が中性子の照射試験をしたいもんじゅが使える可能性はゼロに近づきつつある。「常陽」(茨城県)があるとはいえ、小型の実験炉にすぎない。

 カレールは「ロシアとの協力関係もある」と、照射試験などはロシアで実施する可能性に言及。日本からの資金提供が必要かとの質問には、「有効な資金的貢献を期待している」と答えた。 (敬称略)


 (この連載は、山川剛史が担当しました)


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